あらすじ
「ねえ、死んだ人の“音”って、聞こえたことある?」
その問いかけは、17歳の少女・白鐘音羽の日常に深く突き刺さる呪いだった。生まれつき耳の形に奇形があり、「死者の遺音(いおん)」を聴くことができる彼女は、自らの異能を厭い、孤独に生きてきた。
しかし、唯一の理解者であった祖父の死をきっかけに、彼女は《音遺品管理局》という奇妙な部署に配属される。
そこでは、**死者の“最後の記憶”を宿した特殊なオルゴール《メメント・ミュージック》**を解読し、事件の真相を紐解く仕事が待っていた。
皮肉屋で毒舌、だが誰よりも死者の声なき声に耳を傾ける音羽。
彼女は「殺人者の殺意が録音されたオルゴール」や「死を悼む恋人の悲嘆を奏でるオルゴール」に触れ、少しずつ自らのトラウマと向き合っていく。
だが、ある日、彼女が耳にした旋律は、《自身の死》を告げる音だった。
それは、まだ起こってもいない、未来の死の音。
この絶望の前奏曲を止められるのは、「真実」だけ。
これは、死者の旋律を紐解く少女が、自らの命を賭して最後の真実を探す《魂の再生譚》である。