あらすじ
高校時代、ずっと好きだった人がいた。
でも、その気持ちは伝えられないまま終わってしまった。
――あれから八年。
恋人と別れたその夜、澄は思わず、高校時代の彼にメッセージを送ってしまう。
それは、八年間も彼女を縛りつづけていた、忘れられない「記憶」だった。
前に進もうとしても、心の奥ではまだ、過去のかけらを抱えたままの澄。
そんな彼女の前に現れたのは、太陽のようにあたたかくて、不思議と安心できる少年・初(はじめ)。
彼との出会いが、止まっていた澄の時間を少しずつ動かしていく。
けれど——あの頃の記憶の中で笑っていた、あの人・蒼(そう)も、今もまだ、どこかで繋がっていて。
そして思わぬ再会が、三人の関係を揺らしていく。
現実と虚構。声と記憶。
「いま」と「あのころ」が重なり合うとき、三人の想いは、ひとつの旋律となって響きはじめる。
——これは、
終わらなかった恋と、
やっと始まった恋が交差する、ひとつの物語。