あらすじ
聖なる「洗礼の日」、
運命の職業を神託によって授かる子どもたちの中にいた
少年――ロドリゴ。
しかし彼に与えられたのは、忌み嫌われし
職業《毒使い(ヴェノマンサー)》。
その力を恐れた両親に見捨てられ、
彼はわずか十歳にしてひとり山中を彷徨うことになる。
絶望の果てに彼を拾ったのは、
王国に反旗を翻す者たち――地下レジスタンスだった。
レジスタンスのリーダーセリーヌに温かく迎えられたロドリゴは、
やがて毒の力を「破壊」だけでなく「治療」「防御」「戦術」として
使う術を学び始める。
仲間と共に多くの任務をこなし、初めて笑い、初めて仲間を失いながら、
ロドリゴの毒は“災厄”から“奇跡”へと変貌していく。
だが、王国の腐敗は想像以上に深く、親しき者の裏切りが仲間を襲い、
セリーヌの命までも奪われるという非情な運命が彼を待っていた。
「毒でもいい、この世界を変えたい」
その想いを胸に、ロドリゴは復讐ではなく「希望の毒」を選び取る。
次第に王国でも名を知られる存在となり、敵すらも彼の知略と献身に一目を置くようになる。
やがて彼は“毒の英雄”と呼ばれ、歴史にその名を刻むことになるのだった。
けれど彼自身はただ静かにこう記す。
「毒は、命を奪う。だが理解すれば、命を救うこともできる。
私は、毒を使ったのではない。――毒を抱いて、生きたのだ」
この物語は「異端者」が「偉人」へと至るまでの、
苦難と成長、仲間との絆と別れ、
そして信念を貫く“毒使い”ロドリゴの生涯を描いた、
濃密な英雄譚となります。