あらすじ
なぜか繰り返される婚約破棄に、フルーラは密かに心をすり減らしていた。そのたび、完璧な執事シリウスだけが、彼女に寄り添い、優しく慰めてくれる。そんなフルーラのもとに、まばゆい光のように第二王子セルジュとの婚約が舞い込む。
急いで王宮へ向かったフルーラだったが、そこで待っていたのは、希望とは真逆の絶望だった。セルジュは一変、仮面を剥ぎ取り、その卑劣な本性を現して彼女を強引に襲う。恐怖に震えるフルーラは心の中で叫んだ。
『シリウス、助けてっ!!!』
その切なる願いに呼応するように、漆黒の影が舞い降りる。長年傍らに仕えてきたはずの執事シリウスは、その時、常識を超えた力と、底知れぬ冷たい光を宿した瞳を露わにした。
彼の登場は、フルーラが忘れ去っていた自身の隠された真実、そして、世界の裏で蠢く王家の深き闇の存在を告げる、全ての物語のはじまりであった──。
※短編版が別タイトルでありますが、一部内容や展開が異なる部分があります