あらすじ
ある日、私は死んだ。だが次の瞬間、教室にいた。昨日と同じ朝が始まり、前の席の彼――海隠 雨理(うみがくし・あめり)が眠そうに私を見る。だけど彼は、私を知らない。
これは夢ではない。二度目の死のあとも、三度目の死のあとも、彼は私を忘れ、私だけが前回の記憶を持ち続ける。死ぬたびに"観測"がずれ、世界が巻き戻る――まるで並行世界を渡り歩くように。
彼は誰かのために嘘をつき、誰のためにも本気を見せない。でも、何度死んで世界が変わり、この世界の彼が私を忘れてしまっても、私はもう一度、彼に恋をする。
これは、記憶と観測の"死に戻り"によって編まれる、世界に忘れられ続ける少女の量子的な純愛録。たとえこの感情が、私だけの「観測」が生み出す幻だとしても、私は何度でも君に恋をする。