あらすじ
2022年、コロナ禍三年目の冬。ファッション雑誌編集者の水野葵は、在宅ワークの孤独に疲れ果てていた。唯一の慰めは、ベランダから聞こえてくる隣人の気配だった。
ある夜、ついに声をかけた相手は、美しいイラストレーター・月島雫。すりガラス越しに交わす会話が、やがて二人の心を近づけていく。
オミクロン株の流行、ウクライナ侵攻による物価高、歴史的円安──激動する社会の中で、二人は互いを支え合いながら関係を深めていく。マスクを外せない日々、会えない寂しさ、それでも育まれていく特別な感情。
やがて5類移行により日常が戻ると、ベランダ越しの関係は、美術館デートや小旅行へと発展する。友情から恋愛へ、そして共同生活へ──。
激動の三年間を経て、二人が見つけたものとは? コロナ禍という困難な時代だからこそ生まれた、静かで美しい愛の物語。隣り合う部屋で紡がれた、現代版恋愛日記。