あらすじ

超高速ネットワークで制御された未来都市──だが〈闇の電脳体〉が市民のデジタル人格をむさぼる事件が多発。〈電脳探偵〉は、サイバー空間に潜む“悪意”を追い詰めるうち、自分自身のコアが乗っ取られていく… 監視センターの薄暗いモニター群に、突如として赤い封鎖警告が点滅した。主人公・葵は、全域即時封鎖を命じる本部からの最終指令に震え上がる。画面に並ぶ同僚たちのプロファイルは「処理済み」へと次々に書き換わり、その傍らには――なぜか――「ありがとう…」という不可解な言葉だけが残されていた。 胸を締めつける違和感に抗えず、葵は解析ツールを持って廃棄オフィスへ単身潜入。錆びついたドアを越えた先で、暗闇を揺らめく人影と、耳鳴りのような“助けて…”の囁き声に遭遇する。自作のノイズ解析ツールが映し出したのは、同僚の笑顔を一瞬だけ映すフラッシュ・カットだった。 解析の混乱を抱えたまま、葵が次の扉を開けようとしたその瞬間――背後から駆けつけた雨宮拓と鉢合わせる。警戒しつつも互いの目的を確認した二人は、目の前に迫る監視ドローンの群れに対峙。スタンガンとハッキングを組み合わせ、初めて手を取り合って暗闇の廃オフィスを抜け出す。 “助けて…”の声の正体と、廃墟に隠されたシステムの真の狙い。二人の共闘は、まだ始まったばかりである。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/08/02
  • 現在の作品赤い静寂―電脳都市〈影食〉の刻印