あらすじ
待ちに待ったその日の到来に、全人類が歓喜に沸いていた。
ついに史上初めて、宇宙人が地球にやってくるのだ。
事前の交信によって、相手に敵意がないことは確認されていた。むろん、偽装である可能性も排除せず、軍は万全の態勢で待機している。だが、民衆にとってはそんな裏事情など知ったことではない。
宇宙船の着陸が予定されている場所には世界中から大勢の人々が押し寄せ、誰もがその瞬間を今か今かと待っていた。
歓迎の準備も抜かりはない。発着場にはレッドカーペットが敷かれ、音楽隊が所定の位置に整列し、会場の至る所に色とりどりの花で飾られたオブジェがずらりと並ぶ。各国が我も我もと、まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのように、ピラミッドやピサの斜塔、凱旋門など、自国の文化を象徴するモニュメントを次々と設置していた。
さらにその熱気に乗じて、出店や屋台が軒を連ね、会場全体は一大フェスティバルの様相を呈していた。