あらすじ
6世紀後半、飛鳥時代に国土を緩く支配していた大和政権は、大王と有力豪族が同等の立場で政治を行う連合政権であった。
多くの豪族が徐々に大和政権に帰属するなか、独立国家として立つ特殊な国がある。
その国の名を莲(レン)と呼ぶ。
莲国は大和政権で重責をになう莲氏と巨勢氏という二大勢力によって維持される特殊な国であった。
さて、飛鳥宮の北の斎院に、生まれてからずっと幽閉され、祈りの日々を過ごす神巫(かんなぎ)がいた。
彼女の名前は夜鳴媛(よなひめ)。
鬼神の血を受け継ぐ夜鳴媛は、先代から口伝によって受け伝がれた秘事を継承してきた。
世に怪異が現れ結界の綻びが生じ、莲氏の若君(天祥)との契りの儀式を命じられる。
天祥は29歳の若さで、大和政権での要職を担う優秀な男。一方、冷酷無慈悲な男として有名でもあった。
ふたりの契約結婚が執り行われることになったのは、ある村で異変が起きたからだ。
一夜にして村が全滅した変異があった日、同時に斎院の地下深くに祀られた秘宝『神威《かむい》の銅鏡』が粉々に壊れた。
変事を祓うため、契約の契りをする夜鳴姫と莲氏の若君。
彼らは古くからの作法にのっとり、契約結婚をして、全滅した村に向かう。そこで見たものは、「死の沈黙」に包まれた村。
※本作品は完全なフィクションです。実在の人物・場所・団体・事件とは一切関係ありません。