あらすじ
1606年。
終わることのない戦乱と、始まることのない秩序――その狭間で、俺は“彼女”の夢を見る。
時は、江戸初期。
戦国の炎はようやく収まり、幕府による統治が始まりつつあったはずだった。
――だが、現実とは教科書に収まるほど単純なものではない。
封じられた神代の理(ことわり)、忘れ去られた霊術。
そして“古代の残響”を宿す異形たちが、再び人の世に忍び寄っていた。
……城下に漂う火薬の匂い。
陰陽師と式神が指揮を執る戦の最前線。
そこにあるのは、血と神意に支配された――不完全な秩序だけだった。
そんな混沌のただ中で、俺は、ある謎に囚われていた。
……毎晩、夢に現れる一人の少女。
その名は――雪代(ゆきよ)。
2025年の日本に生きる、ごく普通の女子高生のはずだった。
――だが、夢の中の彼女はあまりにも鮮明で、あまりにも“現実離れ”していた。
会ったこともないのに、俺たちは互いの日常を知っている。
笑い合い、喧嘩し、ときに皮肉を飛ばし合う。
……まるで、もうひとつの人生を共有しているかのように。
だが、これは――ただの夢ではなかった。
やがて気づく。
この不思議な夢が、俺と彼女、そして“未来”そのものを変えていくということに。
……歴史と現代が交錯する時空で紡がれる、運命と邂逅の幻想譚。
たったひとつの夢が――世界の歯車を狂わせる。