あらすじ

アメリカ合衆国 ユタ州 セントジョージから、北西に伸びる一本の道路があった────。 ───2025年──── 町の名はアダマ=エロヒート そこには19世紀を思わせるような街並みが広がっている。 その地に住む17歳の青年ニコラス・テネットは、10年に一度行われる儀式に連れられていた。 町の中央に置かれた大釜、そこから天に向かって燃え盛る赤き紅蓮の炎──。 かつて、暗闇の中猛獣に襲われていた時代に、ギリシャ神話の火の神プロメテウスがその地に永遠と燃える炎を与え、暗闇の中光を灯したとされている。 そこからプロメテウスへの敬礼の儀として、大釜に入れられたその炎に、食物や高価な品を投げ入れるという習慣が生まれた。 だが、時は経ち18世紀、この頃聖なる炎がその勢いを落としていた。 人々は炎へとより多くの品物を投げ入れたが、それでも炎は縮まっていくばかり。 そこである聖職者が、自らを生贄に大釜の中へと飛び込んだところ、大釜の炎は再び燃え盛ったというのだ。 このことから、この町では10年に一度『誰か1人をプロメテウスへの生贄として捧げる』という儀式が行われるようになったのだ…… テネットは唇を縫われ、目隠しをされ耳栓も付けられ、両手にロープを繋がると2人の聖職者に炎の元へと連れられた。 大釜の前には木造の階段と、その横で神への祈りの言葉を捧げる神父がいる。 炎のバチバチという弾ける音が辺りに響くが、テネットにはそれを聞くことも許されなかった。 聖職者2人に体を持ち上げられると、テネットは階段を上がるのだと理解し、その瞬間…その心は激しい恐怖に襲われた。 炎の温かみを感じる。 同時に、死の冷たさも感じていた……。 神父が言葉を終えると、抵抗虚しく、ロープを掴んだ2人の聖職者はテネットの肉体を炎の中へと投げ入れた。 テネットは瞬間、燃え盛る炎に全身を燃やされその苦しみで酷くのたうち暴れ。 大釜の外にも響くほどの重厚な金属音が広がった。 その時、目隠しが焼け落ち、テネットは大釜の中で目を開ける。 するとそこには、同様の儀式により焼け死んだ人間の遺骨が積み上がっていた。 テネットは恐怖で目を閉じ、燃える涙を流しその生涯を終えた────。 ※アダマ=エロヒートは架空の町であり、登場する団体や人物は架空の存在です。

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小説を読もう2025/07/07
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