あらすじ
花園真尋(はなぞの まひろ)、趣味は徘徊。特技は文明への反抗。そして彼の人生最大のイベント――異世界転移――は、なんと真夏の神社で発生する。「おめでとうございます! 異世界行きです!」と言わんばかりの演出に対して、彼のリアクションは「はい、そうですか」。
昭和の役所窓口もびっくりの事務処理テンションである。
だが真尋は単なる拗らせ大学生ではない。
彼は皮肉と懐疑の名手、現代社会の鬱屈に肩まで浸かりながらも、「それでもこの国のスーパーの謎演歌は捨てがたい」と言える、珍しくて面倒な種類の青年である。
異世界の門を前にしても彼は逃げず、叫ばず、むしろ「もっとふさわしい奴がいるだろ」と、アメリカ人や高校生やブラック企業勤めの社畜たちを“代わりの戦力”として提案する始末。
しかし――理不尽とは、逃げられぬもの。
気づけば彼は、自ら「人生2週目」と呼ぶ謎の異世界へと、なんともやる気のない足取りで歩を進めていた。