あらすじ

港町・水凪市に住む中学二年生の光希は、明るく賑やかな性格でクラスのムードメーカーだ。しかしその裏には、幼い頃に母を亡くした寂しさを隠し「強い自分」を演じる弱さがあった。 ある夏の日、光希は旧灯台で出会った転校生・優月と出会う。彼女は献身的に周囲を支え、他者への感謝を忘れない少女だったが、重い心臓病を抱えており、余命をかけた手術期限は「三学期まで」という残酷な現実を抱えていた。 光希は秘密を知ってしまい、優月との約束――「卒業式で一緒に合唱すること」を守るため、仲間たちと合唱部を再建。やがて集まった仲間は、仲間意識の強いが無口な龍之介、一つ一つの言葉を大切に話す春奈、チームプレイヤーでリーダー気質の拓矢、おおらかで外向的な志穂。衝突や挫折、コンクール予選敗退を乗り越え、町全体を巻き込んだ大合唱を準備する。 だが、卒業式直前に優月の手術日が迫り、当日の参加は不可能に――。光希たちはオンライン参加という最後の希望を託し、スマホ越しに優月を指揮者として迎え入れる。歌が体育館と病室を繋ぐ中、彼女の指揮棒は途中で止まり、光希は涙より大声で「ありがとう」と叫ぶ。 失ったものは大きい。しかし、彼らが歌い継いだ声は未来に響き続ける――。

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小説を読もう2025/07/25
  • 現在の作品桜色の風に誓う約束――港町の合唱がくれた最後の光