あらすじ
多くの人々からの冷たい視線にさらされる中、婚活相手の男性から手ひどくフラれてしまった私は、占い師から一ヶ月以内に必ず結婚すると断言された。
その後、私は傷心を抱えたまま、川沿いの下町をひとりさ迷い歩き、古ぼけた祠で、不思議な男・太勇と出会った。太勇はまるで縄文人のような魁偉な容貌をしていたが、なぜか私の関心を惹いた。
翌朝私は気持ちを一新して、社会人講座で縄文時代を学び始めた。講師の日下部直彦と意気投合し、あす北海道の縄文遺跡・キウス周堤墓群を訪問する約束を交わした。
その夜、帰宅途中、アクシデントをきっかけに、私は再びあの祠へ向かった。太勇と再会した私は、マスク越しに接吻してしまう。
翌日、北海道に飛んだ私を待ち受けていたのは、不気味な視線だった。カーチェイスの末に視線を振り切った私は、埋蔵物文化財センターにおいて日下部と再会を果たす。
日下部と私はキウス遺跡に到着したものの、日下部の部下・犬飼がすぐに日下部を連れ去ってしまう。しかし去り際、日下部は私にプロポーズしてくれた。
幸せな気持ちに浸ったまま、一人、遺跡内を散策していた私は、またもや、得体の知れない視線に追われた。監視の目から逃れようとするうちに、誤って狩猟用の落とし穴に転落してしまった私を助けたのは、なぜか太勇だった。
太勇は、私に迫り、覆いかぶさってきたが、幾本も抜歯した太勇の容貌は受け入れ難く、私は、黒曜石製の石刃で太勇を刺し殺してしまった。
死体を前にした私は、いつの間にか数十人の村人に取り囲まれていた。しかもよく見ると、不思議なことに死体は太勇ではなく、日下部と化していた。私を監視していたのは日下部だったのか? もう、わからない!
犬飼、警察官、村人は、私を糾弾した。さらに日下部の夫人が現れ、私を殴打した。私の顔面は醜く変形し、もはや見るに堪えない。
しかし突如、死体が立ち上がり、語り始めた。二重人格症である日下部は太勇であり、太勇は日下部だったのだ。絶望した夫人は、いままで施してきた全身に渡る美容整形が崩壊し、老鬼と化した。そして縄文土面を被り、縄文時代の村人とともに周堤墓で眠りに就いた。
巨大な夕陽に照らされた大自然が見守るなかで、生き返った日下部と太勇が私に求婚した。私の返事はもちろん…