あらすじ
幕末の動乱期。様々な思惑と信念が入り乱れ、血の海と化していた京都にて。並み居る剣豪を押しのけ『剣鬼』と恐れられる男がいた。
長い黒髪。漆黒の瞳。一目見れば忘れられないほどに美しい顔立ち。美形な顔には似合わない血の香り──。
鬼の如し太刀筋にて死地を切り開き。やがては『幕末最強』とまで言われたその男の名は──幻水迅鋭。
そんな迅鋭も歳には勝てず。最後の戊辰戦争である箱館戦争から五十四年。茶碗に重みを感じるほど弱りきっていた迅鋭は最期の時を布団の上で過ごしていた。
思い出すのは過去の記憶。淡い幻想に手を伸ばし、最後に放った言葉は──。
「もう一度やり直したい」
最強とまで呼ばれた男の遺言は。なんとも虚しく。なんとも憐れなものであった。
そこから更に時は過ぎ。時代は二二二二年。急速な技術革新によって治安が悪化した日本にて。
何でも屋『フライヤー』の社長であるロアと戦闘員であるイヴは、依頼されたとある物を盗み出している真っ最中であった。
人を抜け、銃弾を抜け、建物を抜け。酷い置き土産と共に二人は脱出。
追ってから軽々と逃げおおせ、たどり着いたのはごみ捨て場。いつも通りの軽い仕事と油断していた二人の前に現れたのは──なんと若返った幻水迅鋭であった。
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