あらすじ

――“癒す”だけじゃ、もう足りない。 交通事故から目覚めたら、見知らぬ神殿の床の上だった。 天川ひなた、17歳。気づけば“聖女”として異世界に召喚されていた。 「あなたの力で、国を救ってください」 「癒しの奇跡を、この地に」 誰もが頭を下げ、すがるような目で見つめてくる。 でも、その実態は違った。 “癒し”が使えるというだけで、私はただの回復係になった。 疲れたと言えば、「魔王と戦う覚悟がありますか?」と笑われ、 休みたいと訴えれば、「期待されているんです」と言い返される。 毎日、魔法を使っては倒れそうになりながら、それでも誰も心配してくれない。 食事は冷えたスープ。 睡眠は三時間。 火傷も、傷も、心の痛みも――誰にも見られなかった。 「私は聖女だから……」 そう信じて、笑って、癒してきた。 でも、癒すたびに、笑うたびに、 少しずつ、何かが削れていった。 自分でも気づかないうちに、私は壊れていった。 そしてある日。 傷ついた兵士を治せと怒鳴る神官に、 私は背中から突き飛ばされた。 「あなたは聖女なんだから、死なないでしょ!」 その一言を聞いた瞬間―― 私の中で、 なにかが、プツンと音を立てて、切れた。

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小説を読もう2025/08/04
  • 現在の作品【完結】聖女なめんじゃねぇ!!!