あらすじ
O神社の一の酉。
境内の外れに見つけたテントの幕を良木がたぐったのは、見世物的風情漂う看板からだった。
―――《脱走妻の小屋》
広がっていた知識とは違(たが)う奇態な景色は非常な驚きを誘ったが、それ以上に良木を瞠目させたのは、出口にいた小屋番の姿だった。
欲望の矛先が、「美」よりも「異」という良木の性質は、二の酉にも足を運ばせた。
しかし、あの小屋番の彼女と出逢うことは叶わず……。
であれば、自ら「異」の者を生みだす。そして、この募った想いを遂げる。自分にはそうする能力、技術がある。良木は自信をみなぎらせた。
が―――、
その企てこそが、悪夢の始まりだった。
都市伝説《入ってはいけない見世物小屋》が仕組むは、官能、悲劇、ついには―――奇跡。