あらすじ
余命幾ばくもない母の希望でその村を訪ねた理一は、インフラ整備がまるでない山奥で恐ろしい話を聞かされる。
「朝イチで山を降りろ、でなければ死ぬぞ」
訪れた村とは理一の母の生まれ故郷である。わけが分からなかった。何故唐突に死の危険にさらされるのか、この村はどうやって存続してきたのか、母は何故こんな村に帰ってきたいと願ったのか ―――
その頃、全く別の理由を抱えて山を登って来た女がいた。名を、冬子という。ともに東京からやって来た二人は偶然にも山奥の村で出会い、やがて心を通わせあう。
「冬子さん聞いて下さい。何だか私は今、猛烈に嫌な予感がしています。私は今日、この村へ来てとてつもなく嫌な話を聞いたのです。今からそれをあなたにも話してさしあげます。もしもあなたが何の前情報も持たずこの村へ来たのれあれば、心底たまげることでしょう。だけど私はこの話を誰かと共有したい。村の人間ではなく、私と同じ、何も知らされずに山を登って来た全くの赤の他人に」
「理一さん……逃げて」
果たして、この村の秘密とは一体何なのか。
二人は無事、生きて山を降りることが出来るのだろうか?