あらすじ
ある種、月裏ひよりは誰よりも誠意ある推し活をしている。と思う。ここまで己の欲求を殺して、推しを推すという使命に忠実なオタクを、私は月裏以外に知らない。
まあ、かなり歪んだ愛だし、それで楽しいの? と思わなくないけど、月裏のスタンスを否定したくないし、それが彼女の生き甲斐で幸福の形らしいから、進言は無粋ってもんだ。
だから、月裏から誘われたバイト先に私だけ取り残されることになった現状も、ま、納得するしかない。
初出:『言葉にならないものを集めて閉じ込めた』(深海兎書房、2024/12/1)