あらすじ
華国の皇子、藍蒼月(らん・そうげつ)は、“厄付き”と呼ばれる不吉の象徴として生まれ、18年もの間、家族から疎まれ、数多の宮仕えの巫女たちに“浄化”と称して痛みと屈辱を与えられてきた。
世子に定められながらも、彼の心には人を信じる心も、愛を求める欲も、とうに失われていた。
そんな蒼月の婚姻相手に選ばれたのは、山奥の神域に住まう姜家の娘であり若くして巫女となった、星雪(せいせつ)。
星雪は都へ下り、感情を閉ざした蒼月と対面する。
冷たく無関心に振る舞う蒼月。だが、星雪は彼の「厄」を、穢れではなく守るべき傷と受けとめ、彼を癒そうとする。
彼女の無垢な祈りと真心に、氷のように閉ざされた蒼月の心が少しずつほどけていく――。
それは、光を拒んだ月が、再び空に昇り、雪の巫女と出逢うことで目覚める、静かな愛の物語