あらすじ
白楊《はくよう》国の、名もなき宮女の娘、公主・玉蓮。
彼女の、唯一の光であった姉は、隣国・玄済《げんさい》国の、残虐な王太子に嫁ぎ、その命を無惨に奪われた。
――姉の仇を討つ。
その氷の誓いだけを胸に、彼女は白楊国、最強にして最凶と謳われる、大将軍・赫燕《かくえん》の元へとその身を投じる。
全てを破壊し、全てを嘲笑う、絶対的な「闇」の王、赫燕。
彼女の魂の奥に、自分と同じ昏《くら》い炎を見出した彼は、玉蓮を自らの色に染め上げていく。
だが、運命は、彼女をもう一つの光の元へと導く。
敵国である玄済国の、あまりにも気高く、そして正しい英雄、大都督《だいととく》・陸悠《りくゆう》。
彼は、玉蓮のその危ういまでの輝きに心を奪わる。
赫燕が与える、肌を焼くような「闇」。陸悠が与える、心を溶かすような「光」。
二人の英雄の愛を、その一身に受け、彼女の魂は引き裂かれていく。
やがて二人の天才は、一つの盤の上で激突する。
愛と憎悪、嫉妬と正義が渦を巻く、その戦場の果てに、彼女が手にするものは何か。
復讐の、その長い旅路の終着点で、彼女の隣に立つのは、誰なのか。
これは、一人の公主が自らの天命をその手で掴み取るまでの、愛と復讐の物語。