あらすじ
季節は夏。
このわたくし、アンちゃま(柴犬)にとって、夏とは試練の舞台であり、社交界にも勝る過酷なデビューシーズン。
クールマット?乗りませんわ。
保冷バンダナ?秒でお断りいたしますの。
散歩拒否?ええ、もちろんわたくしの“意志表示”ですわ。
そんな“労働階級”の常識、わたくしには無用でしてよ?
けれど……この夏。
蝉の声に誘われて、草の陰謀に巻き込まれ、雷鳴に震え、エアコンと扇風機の“風の間”で揺れながら
わたくし、アンちゃまはひとつの真理に気づいてしまったのです。
それは、「暑さには勝てない。だが、気品は保てる」ということ。
気まぐれで、気高くて、気圧されがちな柴犬レディが、かおり婆やとの掛け合いの中で綴る、全18の夏の記憶。
涙、汗、毛が舞う。
でも、決して可愛いだけじゃ終わらない。
それが、柴犬界の悪役令嬢、アンちゃまの“夏季録”ですのよ。