あらすじ
川辺に横たわる一人の侍が、ある旅館に運び出された。彼の名はアラシヤマサイ。彼を斬ったのは若くして腕の立つカワカミ。彼らはともに剣豪である。満身創痍のサイは、旅館の娘、ソノの懸命な看病によって一命を取り止める。
それぞれの信念と情愛が複雑に絡み合い、そして交わる刀と、そして想いと、武士道。
命を奪うのは容易く、そして桜の花びらのように簡単に散る。
一人の命は、決して一つの命とは限らない。
斬った相手の背中に見える、その家族や友人。
そういった多く命、多くの願い。それを一瞬にして奪う一太刀。
揺れる迷い。
一瞬の決断。
己の武士道とはいかなるものか。
侍として生きる自分の理はいかなるものか……