あらすじ
延暦21年。
京の公家達が率いる大和朝廷軍は坂上田村麻呂を征夷大将軍に任命。
東北の山奥に居を構え、朝廷への服従を良しとしない陸奥国胆沢のアテルイ率いる部族が朝廷の征討軍と相まみえていた。
出羽の西端小国郷に産まれたユキノは、田舎を出て行くという幼馴染モレを追って大和との諍いに荒れる越後の国に向かう。一途なユキノは血気盛んな幼馴染に振り回されながら、都から遠く離れた東北人を蛮族と呼び蔑み侮蔑する大和朝廷に反発して抗う一派に参加し、そこに集う若者達と生死を共にするようになる。
独立心旺盛で大和朝廷に屈することを良しとしない東北各地の部族は各々徒党を組んで朝廷軍に立ち向かうが、武力に勝る朝廷軍に一人また一人と儚く命を散らせていく。
ユキノと年も違わず、人の世の楽しみも、乙女の柔肌もまだ知らぬ若者たちの刹那の覇気に翻弄されながら、ユキノはやがて勝ち目のない戦いに向かう彼らの、命を燃やす目的となっていくが。
そのユキノを守る為朝廷の特使を手に掛けてしまったモレは兵士たちに英雄と崇められ、挙句進軍の途上裏切り者の手によって命を落としてしまうのだった。