あらすじ
焼きたてのパンが、戦争の常識を焼き崩す——
幾千の命が土に還り、空が血の色に染まる時代。
前線に現れたのは、ひとりの武器を持たぬ男だった。
名をレイル=バーク。
武器を取らず、炎の窯でパンを焼く者。
彼の焼くパンには、奇妙な力が宿っていた。
食べた者の心を癒し、時に記憶すら呼び覚ますそのパンは、
やがて兵士の心を変え、国家の思惑を揺るがしていく。
だがその力は、“希望”として見られる一方、
“記憶を操る兵器”としても利用され始めていた。
パンを巡り現れる敵、記憶泥棒、そして焚刑を司る異端審問官——。
レイルは問い続ける。
「俺のパンは、誰のためにあるのか?」
焼くとは何か。記憶とは何か。
戦場の中で、命と想いを繋ぐ唯一の“火”が今、灯される。
——これは、戦争とパンをめぐる、あまりにも優しく、熱すぎる物語