あらすじ
景司と崇は幼い頃からの親友であり、苦楽を共にしてきた盟友でもあった。就職氷河期に社会に出た二人は思うように道を見出せず、コンビニでアルバイトをしながら自らの「城」を築く夢を語り合う。やがて小さな問屋に就職し、経験を積んだ末、念願の雑貨問屋を起業。苦労の連続ながらも夢に向かって突き進む日々の中で、景司は同僚の真弓と結婚し、家庭を持つ。
しかし、経営の悪化や旧友からの裏切り、さらに真弓の両親の介護問題が二人を苦しめる。景司は心身ともに疲弊し病に倒れ、回復の望みを絶たれる。崇は懸命に景司の分も働き、日々見舞いを欠かさなかった。
ある日、病床の景司は崇に問いかけられる。「景司、いい人生だったかい?」その問いに、景司は静かに笑いながら答える。「うん、頑張ったよ」。それが最期の言葉だった。
葬儀で崇は、友人代表として弔辞を読み上げる中で、景司の真っ直ぐな生き様と友情の尊さを語り、最後に彼と交わしたその一言を胸に、残された人生を歩むことを誓うのだった。