あらすじ
町役場で誠実に働いてきた景司は、ある日、誤解から「不正の疑いがある」と町の“噂の委員会”に目をつけられる。証拠もなく、誰かの告げ口と噂だけで、彼は役場内や町中から白い目で見られるようになる。仕事は無視され、友人も離れ、亡き妻、初江に語りかける日々だった。
絶望の中で景司は、怒ることも訴えることもせず、ただ耐え、黙って日々を生きる。やがて噂の虚偽が判明するも、失った信頼や時間は戻らない。景司は町の公民館で講座を開き、過去を語らぬまま、人との繋がりを少しずつ取り戻していく。
そして町に誹謗中傷に苦しむ者たちの小さな会「沈黙より重い言葉の会」が生まれた。景司はその中心に立ち、誰も責めず、ただ黙って耳を傾け続ける。やがて、人々は彼の背に「誇り」と「赦し」の姿を見出すのだった。