あらすじ
流通企業の中間管理職・景司は、若い頃に母の最期に間に合わなかった後悔から、「金や恩は返せても、時間は返ってこない」との信条を持つようになる。しかし、組織の中で“時間を守らせる管理職”に追われるうちに、いつしか人の時間を奪う存在になっていたことに気づく。
トラック点検や現場の清掃、クレーム対応を経て、景司は「時間を使う責任」への感覚を研ぎ澄ませていく。そして、無駄な朝礼、読まれぬ報告書、非効率な会議、そうした日常業務の中で失われる膨大な時間に疑問を投げかける。
彼は現場の協力を得て業務改革を進め、社員が自分の人生に“間に合う”ための時間を取り戻していく。出世話も辞退し、「人の時間を守ること」が自分の使命だと定め、若手の育成にも尽力する。
最終的に景司は、亡き母の時計を手に「人の時間は過ぎるだけじゃない、残せる」と実感するのだった。