あらすじ

景司は、無意識に人を傷つける言葉を吐き続けてきた孤独な男だった。工場を辞めたのち、流れ着いた海辺の町中須賀で、寡黙な多恵が営む喫茶店「ことの葉」に辿り着く。そこは、言葉を大切にする人々が集う不思議な空間だった。多恵の静かな優しさと常連客の詩や手記に触れながら、景司は次第に“言葉の重み”を知っていく。 そんな折、故郷の父が倒れたとの報せを受け、景司は七年ぶりに帰郷する。かつて互いに心を閉ざし、傷つけ合った父とわずかながら言葉を交わし、和解の兆しを見出す。再び中須賀へ戻った景司は、「ことの葉」の立ち退き問題に直面するが、己の変化と人の心を動かす言葉の力で店と人々を守り抜く。 “ことば”を選ぶことは、過去を手放し、自分自身を見つめ直すことだった。景司はようやく、「鎧としての言葉」ではなく「心に届く言葉」を手に入れたのだった。

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エブリスタ
エブリスタ2025/06/18
  • 現在の作品ことの葉の鎧 景司の言葉