あらすじ
中年の景司はかつて高校の山岳部に所属し、里山の弁天山を仲間と登った思い出がある。だが長年の運動不足と都市生活で体力は衰え、階段を登るだけで息が切れるほどに。高校時代の友人・石川からの誘いを受け、重い足を引きずって久しぶりに弁天山登山へ挑戦する。体力の衰えを痛感しながらも、一歩一歩進むことでかつての自分と対話し、心身の再生の一歩を踏み出す。帰宅後は日常生活の中で無理せず体力づくりを始め、公園でのウォーキングやストレッチを続ける中、徐々に歩くことの楽しみや自然の美しさに気づく。真夏の暑さに堕落しかけた日々も、汗をかくことの意味を見つめ直し、逃げずに向き合う覚悟を決める。景司の再生の物語は、ゆっくりとしかし確かに、山へと続く道を歩き始めるのだった。