あらすじ
春の風が吹く、どこか懐かしい駅前にある小さな喫茶店「風結(ふうゆう)」。
看板も目立たず、常連以外には少し入りにくいそのお店には、ある“噂”がある。
「あそこに行くと、不思議と人生が動き出すらしいよ」
進路に悩む学生、転職を迷うOL、別れ話を抱えたカップル、何かを失ったまま立ち止まる人たち…。
そんな彼らがふと足を止め、静かな珈琲の香りに包まれながら、誰かとの何気ない会話に救われていく。
彼らの背中をそっと押すのは、店主でも、常連客でも、時には通りすがりの見知らぬ誰かかもしれない。
誰かの言葉が、誰かの心を救う。
「昔の誰かが決めた道より、ずっとしなやかで、美しい道がある」
やさしい春の風のように、じんわり心をほぐしてくれる連作短編風ヒューマンドラマ。