あらすじ
景司は若い頃、小説家を志すも夢は果たせず、長年中小企業で働き、やがて定年を迎えた。人生を走り終えたと感じていた彼だったが、年金暮らしの中でふと「書くこと」に再び向き合うようになる。
書斎代わりの喫茶店、図書館の隅、古いノートと安い万年筆、ささやかな日常が再び夢を育てていった。
地方文芸誌への投稿、朗読会への参加、中学生・律との出会い。小さな反応が、景司の心に灯をともす。律は景司の生き方に刺激を受け、やがて作家志望となり、自らの進路を定めていく。
景司もまた、年齢に関係なく「夢は今からでも形にできる」と確信を持ち、自費出版や連載、創作講座などに活躍の場を広げる。
「夢とは、歩きながら育てるもの」「物語は誰の中にもある」。
若者に灯を渡しながら、景司は今日も早朝の机に向かう。夢の続きは、まだそこにあるのだ。