あらすじ

景司は、誰にも強く反対せず、「まあ、みんながそう言うなら」と空気に従って生きてきた男。地方役場に勤め、青年会に押し出され、町の祭りに担ぎ出され、気がつけば補助金事業の責任者にまでされてしまう。何かを自分で決めたことはなく、ただ流れに乗ってきただけ、それが景司の「青春」だった。 だが人生には、どこかで「風に流されてはならない場所」がある。思わぬトラブルで町の非難を浴びた景司は、「自分で決めた一歩」がどれほど怖く、同時に尊いものかを痛感する。崖っぷちに立たされた彼は、自分なりの小さな意志を持ちはじめ、肩書きや役割に縛られず、人の話を静かに聞く人生へと転じていく。 風にはなれない景司。それでも彼は、吹いてきた風の向きに自分の足で立ち、ふらふらとでも前に進もうとする。笑われながら、迷いながら、それでも誰かの気持ちに寄り添える、そんな不器用で、ちっぽけな人生が、まぎれもなく“生きる力”だった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2025/07/07
  • 現在の作品流されて景司