あらすじ

山間の寒村・鬼ノ沢では、毎年盆の終わりに「送り火祭り」が行われる。誰もが太鼓を鳴らし、松明を川へ流すなか、景司という無口な男は十年間、毎年同じ場所にひとり立ち尽くしていた。理由は語られず、村人からも半ば忘れられたその姿に、町役場から来た若い女性・あかねだけが関心を寄せる。 やがて明かされるのは、十年前、東京で働いていた景司の息子・陽一が「戻る」と言い残し消息を絶ったという過去だった。あかねは偶然の出会いから、陽一が生きていることを知り、静かに景司と再会させる。 失われた親子の絆、語られなかった後悔、十年分の手紙すべてが「祭りの後」に交わることで、ようやく景司は“待つ人”から“渡す人”となる。 その命の火は、静かに次の世代へと受け継がれ、灯りは山を照らし、また一つ、村の季節が巡っていく。

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エブリスタ2025/07/11
  • 現在の作品祭りの後 景司と陽一