あらすじ

松原景司は、歩き遍路ではなく車で寄り添う遍路を続ける男。 遍路道の端に立つ人々に声をかけ、その車窓に人生の一頁を乗せていく。 ある日、白装束の男性との十五分の同乗が、景司の中に静かな問いを生む。「歩みとは何か?」 その問いを胸に、雨の中の若者、言葉を持たぬ沈黙の遍路、過去を託す納め札を抱えた女性。世代も目的も異なる旅人たちと出会いながら、景司は寄り添う時間の意味を知っていく。 風に運ばれた記憶、杖の影、遍路宿の灯、景司は車窓から見える風景の先に、人々が残した歩きの想いを拾い集め、 そして最終章では、自らの手帳を通じて自分の遍路と静かに向き合う。 語られなかった言葉、届けられた感謝。 遍路とは、歩くことより共にいること。 その揺るぎない眼差しで、景司は今日もまた誰かの足音を見つめている。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2025/07/27
  • 現在の作品遍路の車窓 景司と歩く人々の記録