あらすじ
朝の洗面所で、何気なく鏡を見た遥は、自分がまだしていない化粧を施した“未来の自分”と出会う。日ごとに変化していくその映像に従い、遥は服装や仕草、言葉さえも変えていく。鏡が見せる未来は不思議と現実と重なり、ついにはかつて思いを寄せていた佐伯との再会までが“予告”される。
それは、まるで未来の自分が今の自分に人生の“答え”を与えてくれるかのようだった。
しかし、次第に遥は、自分の選択や感情さえも鏡に支配されているのではないかと疑念を抱き始める。そしてある日、鏡の中の自分が背を向け、見知らぬ景色を映し出したとき――物語は思いがけない結末へと加速していく。
未来を知ることは幸福か、それとも呪いか。
自分の“明日”を生きるとはどういうことかを問いかける、静謐で不穏なミラーファンタジー。