あらすじ
*以下のあらすじは結末までのネタバレを含みます
主人公がアンパンを食べながら、町の伝承の資料を整理していると、そこに書かれた伝説の妖怪『小豆砥(あずきとぎ)』と出会う。彼女はすっかり無名となり、人間からも忘れ去られ、妖怪としての力も失っていた。
彼女の力を取り戻すためにSNSで『Azu』としてバズろうと二人は決意する。やがて成功し、噂はネット上で急拡散される。人々は彼女を求めて集まり、町は混乱に陥る。その熱狂は、やがて制御不能なものとなる。彼女は力を取り戻し、少女の姿から、大人びた女性へと変化していく。
すべてを終わらせるため、主人公と妖怪は、温泉で最後のひとときを過ごし、記憶を喰らう獏のもとへ向かう。そして、人々の記憶からAzuは消えた。
ひとり残され、記憶も失った主人公の手元には、あの日と同じアンパンが、静かに残っていた。その耳元に、懐かしいような音だけが響いた。