あらすじ
どうして烏が好きなの?
烏は嘘をつかないから。
そりゃ、喋らないもんね。
違うよ。鉛筆で描く烏は嘘をつかないってこと。空も海も花火もイチョウ並木も僕に嘘をつくんだ。
それいつも言ってるけど、どういう意味なの? 私と行った思い出の場所は全て嘘だったってこと?
そういう意味じゃないよ。あ、そういう意味でもあるのかな⋯⋯。君には分からないだろうね。
うーんと、烏には紫外線が見えるから? 出会った頃、そう教えてもらったの覚えてるよ。
それも好きな理由の一つかな。烏の目で見た世界には、僕たちには想像ができないくらい沢山の色が溢れてるんだよ、きっと。世界の色をそんな風に見ることができたらどれだけ幸せなんだろうって、時々思うんだ。
私の世界はずっとカラフルだったよ。あなたと一緒にいる今が一番カラフルだけどね。
あなたはこの世界を何色に見ているの?