あらすじ
三月十四日の朝、ホワイトデーの名にふさわしく、珍しく雪が積もった。
そんな中、早くから高校に向かった田町由香莉。想いを寄せる桜井茂から、バレンタインでの告白に対する返事を聞くために、学校の第二理科準備室で落ち合う約束になっていた。
この時季にしては珍しい積雪という小さな奇跡に後押しされて期待を膨らませる彼女だったが、準備室に入ってみて驚愕することになる。桜井が死んでいた。
警察の捜査が始まる中、一男子生徒の名和は気を揉んでいた。幼馴染みでかつては恋心を抱いた経験もある田所が犯人にされてしまうのではないか、と。仲のいい友人である牛尾とあれこれ推測を働かせるが埒があかない。そんな折、石動という男子生徒の訪問を受ける。彼は学校側から認められた学内探偵と称し、色々な権限を与えられているという。実際、名和の知らない情報も持っており、推理力もあるようだ。名和は石動に協力する形で真相解明に乗り出す。
推定される犯行時刻と雪の状態、さらには第二理科準備室の鍵の有り様から、現場は密室状態であった可能性が出て来た。犯人が犯行後も一晩中校内に潜んでいたと仮定すれば、密室の謎はほぼ解消されるのだが、だとすると犯人は何のために長々と犯行現場近くにとどまったのか? 一刻も早く離れるべきではないのか?