あらすじ
死人に口あり。死者だけが乗れる船、いざ出港……!
あらすじ※ネタバレあり※
知り合い男性の死刑が決まって幾夜か過ぎたとある晩、神条香りは不思議な夢を見た。夢の中に現れた謎の黒い羽根男・団長が告げる。
『今夜零時、栃木県日光市から船が出る。真実が知りたければ、その船に乗れ』
香りは死刑を待つ彼を助けるため、日光へ足を運ぶ。そこには湖に浮かぶ豪華な船があった。不思議なその船に乗り込むと、眩い光に包まれ、香りは猫娘のような姿に。
船に集まった乗客は、くノ一風の猫娘、赤いドレスのカラクリ人形、派手な衣装のピエロ、猛々しい鬣を持つライオン、火を噴くドラゴン、和服の鬼人、蛇女、ユニコーンの八人。
それぞれ目的のために船に乗ったという。
団長は言った。
『真実を見つけた者の願いを一つだけ叶えてやる』
期限は七日。それまでに真実を見つけることができなければ船は異空間に沈み、永遠に彷徨い続けるという。
真実を探していくうちに浮かび上がってきたのは、小さな町で起こった事件。それはひとつの事件ではなく、いくつもの事件が複雑に絡み合っていた。
乗客は、会社員集団リンチ事件の被害者家族、絹川町資産家強盗殺害事件の被害者、小学生惨殺事件の被害者、ホームレスバラバラ殺害事件の被害者、線路突き落とし殺害事件の被害者、警察官拳銃暴発事件の被害者たちだったのだ。
バラバラの時系列の中集まった乗客たち。香りを含めた乗客全員がそれらの事件に関わっていることが分かり、それぞれの視点から事件を見ていくうちに、ひとつの真実が浮かび上がってゆく。
そして事件がすべて繋がったとき、ようやく真犯人が炙り出された。真犯人は、星井熊野。小学生惨殺事件の被害者であり、一連の事件の当事者だった。しかし、乗客の中にそれらしき人物はいない。全員で探していると、乗客たちのそばに置かれていたクマのぬいぐるみが動き出した。真犯人である熊野は、強制的に乗せられたという。そのためいないふりをして紛れていたのだ。
熊野の話を聞き、真実を知った香りたちは全員で願いを決める。
それは、団長一連の事件の発端、会社員集団リンチ事件が起こる前に戻ること。
時を戻した香りたちは事件を防ぎ、それぞれ新たな人生を歩むのだった。