あらすじ
誕生は偶然の結果だが、死は必然である。
多くの人に言われているとおり、生とは死にいたる一つのプロセスにほかならない。
ゆえに私はこの大量死の物語を悲劇ではなく、苦闘と抵抗の物語として描きたい。
中世ヨーロッパ全域を襲ったペストの大流行。その始まりをここに記す。
物語の舞台、ラグーナは架空の島であり、登場人物たちにも実在のモデルはいないが、ほとんどの出来事はあの時代のヨーロッパで実際に起こったことだ。
ラグーナを統制する官僚の一人、オルセオロと、何もかもが正体不明の東洋人の女との出会いから物語ははじまるが、基本的には群像劇として構想を組んだ。
オルセオロに加えて若い公証人ジオット、医師カンナヴァーロの三人を中心に物語は進む。
なぜこれをSFとして設定したかは、読み進めていけばご理解いただけるものと思う。