あらすじ
極東アジアで資本主義連合軍と共産主義連合軍のアジア大戦が始まった20XX年。同盟国アメリカに見捨てられた日本は捨て身の作戦に打って出た。
アメリカ在住時に研究費用を打ち切られた科学者が禁断の遺伝子改造技術を実用化した。人の口から原油を吐き出させて採取する。原油精製装置として選ばれたのはうら若き乙女達。原油が吐き出せなくなった後は二階級特進の志願兵になれる。上級女子志願兵大学校は選ばれた女子のための大学校という建前で運営されていた。
その大学校には、実業家の令息の葉山実が兵役免除を使わずに教員として赴任する。富裕層の子息は親が裏で手を回して安全な配属先が保証されている。そこで葉山は大学校を明日卒業する和都田美波と出会った。美波に隙を見て戦地で脱走して生き延びろと軍人にあるまじきことを教える葉山。その声を録音していた美波に、治安警察に密告されたくなければキスをしてと葉山は脅される。録音とバックアップを取り上げてから美波の頬にキスをする葉山。原油の臭いがする唇が嫌なのかと美波に泣かれる。葉山は小遣いで釣るような不純なことはしたくないだけだと大真面目に弁解する。美波の唇にキスをして、生きて再会しようと見送った。
しかし、戦後十年経っても美波の消息はわからなかった。時代の荒波に飲まれた貧しい家の娘と裕福な実業家の令息。
ーどんなに残酷なことが起きても、どんなに苦しくても、残された者は生き抜かなければならないー