あらすじ
【登場人物/レギュラー】
澤口新之介 本編の主人公 三十五歳
浅草橋のたもとで骨董屋「嘉月堂」を営む。士族出身だが、親とは絶縁
藤奴 新之介の古馴染み。実は妖狐。年齢不詳。外見は二十代後半。
茶川弥太郎(さがわやたろう) 小説家 二十七歳
骨董好きだが、いつも悪縁の品物をつかんでしまう。
才能の割に売れないのは、呪われたコレクションのせいとも……。
良月和尚 浅草の観風寺住職 五十歳
新之助から呪われた骨董品の封印を押しつけられている。
【登場人物/第二話】
八重 江戸時代の木綿問屋、田端屋の下女 池袋村出身 十六歳
田端屋仙右衛門(せんえもん)田端屋の主人 四十歳
太吉 八重の異母兄 二十七歳
平次 化粧道具売り 二十五歳
【あらすじ】
新之介は仕事帰りに知人の売れない文士(小説家)、茶川弥太郎と出会い、そのあまりのやつれように驚く。聞けば、骨董市で櫛箱(くしばこ)を買って以来、寂しげな表情を浮かべた娘が、毎晩夢に現れるというのだ。弥太郎には悪縁の骨董に惹かれる妙な癖があり、櫛箱と因縁のある悪霊に憑かれたのだと考えた新之介は、高い霊力を持つ観風寺の住職、良月に除霊の相談をする。ところが、良月の見立ては、弥太郎がやつれたのは悪霊の祟りではなく、すでに亡くなっている娘に恋をしたせいだというものだった。この恋煩いを治すには、新之介と藤奴が弥太郎を過去に連れてゆき、娘と会わせてやるしかないと言うのだが……。