あらすじ
現在、ジュブナイル系のオリジナル作品を作るために、
私「舘 追海風」の実家の記憶と、地元の様々な情景、数々の楽しそうな想像を此処に蒐める作業をしています。
大学に行くために家を出るまで、僕はとある川のほとりの集落で暮らしていました。そこはとても自然豊かで、大らかで、調べてみると面白そうな伝説や先祖の話が出てくる場所でした。
大学を出て、社会人になって。何もないと毎日うざったく思っていた実家は、いつしか正月や盆に帰ることが出来ればいい方という、何だか遠い場所になってしまいました。
いつでもそこにあるはずなのに、ふと考えてみると水煙のように消えてしまいそうな、ふんわりした記憶の場所に、なってしまいそうでした。
僕には一つ夢があります。それは、「子供の頃から見続けたあの故郷の景色を、記憶を、そしてそれを飾るための物語を、アニメにして遺したい」というものです。
僕の生まれた集落は、高齢化によってもう、僕が定年を迎えるころには残っているかも怪しくなってきている状況です。
時代の波とか、個人個人の生活とか。そういう当たり前で仕方ないものが集まって、この流れを作っています。それを僕自身、受け入れてもいます。
ただ、どうしても。
僕があの場所で感じてきたすべてを、そのままこの世から消し去ってしまうのには、どうしても腹が立つのです。
どんな形でもいい。出来れば、そんな話があったかもね、と、出来るだけ多くの人が笑ってくれるような形で、あの場所の思い出を残したい。
先日の大雨で実家近くが大騒ぎになった夜、気付いたらそんな思いが爆発して。
それから数日で、こうして筆をとることとなりました。
改めて繰り返しになりますが、この文章は、僕の小説になるかもしれない様々な記憶やアイディアの寄せ集めです。
凡そ人に見せられるような形をしていないかもしれません。でもそれでもいいです。
あの日々の幻影を、少しでも多くの人に届けられるよう。
ここでもがく小さな男の姿と、物語となって羽ばたいてくれるかもしれない地元の煌めく記憶のかけらたちを、眺めて少しでも皆さんの心の琴線に触れられれば幸いです。