あらすじ
灰色のフードを着た凄腕の双剣使いを、決死の思いで押しとどめ、応援に駆けつけた百代によって見事撃退してのけ西支部防衛を成功させた澄男たち。
しかし西支部での異変は、今回の騒動の始まりにすぎなかった。
上威区のとある場所、大陸八暴閥の一翼を担う擬巖領にて、一人の少年が決死の逃亡劇を繰り広げていた。
追手から逃れる道中、擬巖に逃走ルートを誘導されていると悟った彼は、その目論見から外れようと足掻くが、その思いも虚しく、擬巖領から遥か南方―――流川本家領へ送られる羽目になってしまう。
流川本家領は外部からの侵入者の生存を決して許さない。否が応でも死地へ投げ出された少年は、生存本能を全力で燃やし、迫りくる死神の刃を潜り抜け、存在するかどうかも怪しい活路を見出すため、荒れ狂う死地を疾駆する―――。
少年が擬巖領から流川本家領という名の死地に降り立つ。それは武力統一大戦時代以来、三十年もの平和が保たれていた武市に、厄災の旋風となって澄男たちに降りかかる。