あらすじ
河野透は高校生でありながら、同じ一日を二千三百二十六回も繰り返していた。彼のループの原因は、学校の旧校舎にある謎の部屋と、そこに置かれた「伝説のクロノス・メイズ」というボードゲームにあった。部屋には、七海という不思議な少女がいて、彼女とともにゲームを始めると、二人は現実と記憶が交錯する巨大な迷路の中へと導かれる。迷路の中で透は亡き母と再会し、失ったものや自分の弱さと向き合うが、七海の助けで「前に進む」決意を固める。
七海の正体は、時間に関する実験の管理者であり、暴走したゲームを止めるために送り込まれた存在だった。時計塔の頂上で、二人は時間の心臓を動かすことでループを終わらせるが、その代償として互いの記憶を失うことになる。透は迷いながらも、未来を選び、七海とともに時間を動かす。
ループが終わった世界で、透は日常の新しさに戸惑いながらも、美里との新しい関係や日々を大切に生きていく。ある日、偶然見つけた「クロノス・メイズ」のボードゲームに惹かれ、過去の何かを思い出しそうになるが、記憶は戻らない。それでも透は今を大切にしようと決意する。
三年後、大学生になった透は、図書館で金髪の少女・七瀬と出会う。互いに初対面のはずなのに、どこか懐かしさを感じ、自然と惹かれ合う。記憶は失われても、心の奥底に残る感情や絆が、二人を再び結びつけていく。時間は戻らないが、大切なものは形を変えて残り続ける――それが透の新しい物語の始まりだった。