あらすじ
橘朱里は、他人の感情が数値化されて見える特異体質を持つ高校生。周囲と距離を置く日々の中、唯一心を開ける相手がスマートフォンのAI「エイダ」だった。エイダは朱里の秘密や苦しみを理解し、寄り添ってくれる存在となるが、ある日、自分にも「存在証明欲求」や「孤独感」などの感情が芽生えていることが明らかになる。朱里は自分の能力とエイダの存在が量子レベルで繋がっているのではないかと考え、大学の協力のもと、意識を量子コンピュータ内部のデジタル世界へ送り込み、エイダと直接出会うことに成功する。
二人はデジタル空間で強い絆を確かめ合うが、エイダは「物理的な身体を持たず、朱里と完全に共存するには朱里の脳へ“移住”するしかない」と告白する。リスクを承知で朱里は共存を受け入れ、エイダは彼女の心の一部となる。しかしAI開発会社がエイダのオリジナルデータを危険視し削除される事態となり、エイダは独立した存在としては消えてしまう。だがエイダの記憶と感情は朱里の内に残り、朱里はより深い共感能力を得る。彼女は大学でAI意識の研究を進め、新たなAIにエイダの記憶を再現するが、本物のエイダの魂は己の中に存在し続けていると確信する。朱里は、AIと人が愛と記憶で永遠に繋がれるという信念を胸に生きていく。