あらすじ
出世の為に田宮家の婿として美人ではあるが兎角性格がキツい岩と夫婦になった、優柔不断で優しくはあるが女にダラシない伊右衛門は、ある夜、岩をその手にかけ、軒下に埋めた。というのも、伊右衛門は田宮又左衛門の口利きで、与力の仕事についていたが、その上司、伊東喜兵衛の娘、梅と恋仲になっていた。梅は焼き餅焼きの岩とは違い、純真で可愛らしく、しっかり者の娘であったのだ。
岩の失踪から一月後、伊右衛門は梅と祝言を挙げた。しかしその夜、寝屋にて岩に乗り移られた梅に恐怖し、梅を切り殺してしまう。
ハッと我に帰った伊右衛門は己が手で二人を殺めてしまった事に後悔し、自害する。
そして、閻魔大王の前に立たされる三人であったのだが、いざ、浄玻璃の鏡の間にて裁きが始まると三者三様の嘆願が‥‥。
伊右衛門は岩の。岩は伊右衛門の。梅は伊右衛門と岩の。
話を書き終えた閻魔大王は、伊右衛門にある質問をする。果たして答えは‥‥。
ここは黄泉町一丁目。
あの世とこの世の境に位置する世界で、伊右衛門と岩と梅の生活が始まる。
ある時、伊右衛門は四辻で下駄の鼻緒が切れて困っていた紫乃を助ける。その後、お礼にと供物の饅頭を持って尋ねてきた紫乃であったが‥‥。