あらすじ
西暦2XXX年12月24日。
その日、宇宙都市ゼールスは崩落した。
同盟国デンバイヤーによる裏切りの奇襲攻撃にもるものだ。
これにより、人口15億人の9割が失われ、その殆どは戦死したのだった。
僅かな生き残りは難民として艦隊に雪崩込み、民間人を乗せた艦隊は宇宙へ旅立った。
目指すは公国リーズナブルグ。
突如として鳴り響く空を割る紫電の軌跡。
その艦隊を守る様に機体が1つ。
未登録のCCCだった。
敵も味方も、人々はその見た目から【紫電】の単眼……あるいは嵐のような駆動音から【サイクロン】と呼んだ。
ー◆ー◆ー◆ー【一部抜粋】ー◆ー◆ー◆ー
宇宙都市ゼールスの自立歩行兵器C(カスタム)C(クラフト)C(コンピューター)技術者養成学校。
CCC整備士養成課に彼は居た。
サイ・ホーンケラチン。
整備士コースの優等生であり、卒業研究の提出のために開発途中の自機の調整を行っていた。
「ジェミ、君に操作を切り替える」
「サイ、承知いたしました。操作権限を受領します」
機体の頭にある単眼……紫のサーチライトが返事をするように点滅し、システムAIのジェミに操作が切り替わる。
「相変わらず、『一ツ目』は雷みたいな稼働音だな」
「『サイクロプス』は殲滅に特化した機体だからね……その他の事は後々調整するとしても、ギリギリ提出期限には間に合いそうでホッとしてるよ」
同じ整備士課程のゼブラとホースはモニター越しに耳を押さえながら笑い合う。
「あとは、このサイクロプスを乗りこなしてくれるパイロットにオファーさえかけられれば、プロモーションは完璧だろうね」
モニター越しにサイは答えるが、ゼブラとホースは渋い顔をしている。
「「それもこれも、こんなピーキーな機体に乗りたがるパイロットが居ればの話だけどね」」