あらすじ

時間が逆回転する街で暮らす高校生の「僕」は、放課後の本屋で「橘真夜」という少女のうしろ姿に恋をする。この街では校舎の外で時間が逆行し、人々はうしろ向きに進み、言葉も飲み込むように消えていくという不思議な現象が起きていた。顔を見られないまま、二人は日々本屋や公園で語り合い、唯一見えるうしろ姿を通して互いの心を通わせていく。  やがて、時間の逆行が遅くなり、まもなく正常な流れに戻る兆候が表れる。真夜は自分がこの現象の原因であり、十年ごとに時間を操る力を持つ運命を明かす。そして逆行が終われば、二十七歳になるまで街にいられないことも告げる。最後の日、「僕」は真夜と向かい合い、時間停止の間際に一瞬だけ彼女の顔を見る。その後、世界の時間は正常に戻り、真夜は姿を消す。残された僕は、うしろ姿と声だけで愛し合った日々を胸に刻み、絵本『時のない村』に残された真夜のメッセージから確かな愛を感じる。  十年後、出版社に働く僕のもとに、真夜が書いた小説『うしろ姿の恋人』が届く。再会した二人は今度こそ正面から向き合い、ようやく抱き合うことができるのだった。逆行する時間の中で始まった特別な愛が、時を経て完成する物語。

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エブリスタ
エブリスタ2025/07/27
  • 現在の作品うしろ姿で愛を知る